2009年5月15日

製造業的思考の弊害

製造業は絶対に事故を起こしてはならない。そういう設計がされているから日本の製品は高品質で世界中で売れている。

操作ミスで人が死ぬかもしれない商品においては、絶対に失敗が許されない。


一方インターネットは自立的に失敗を修復、ないしは迂回路を勝手に見つけて事故がなかったかのように振舞うのが特徴。つまり失敗は当たり前。最終的に目的地にたどり着ければいいのだからと考えて、送るデータはそもそもいい加減。

TCP/IPというプロトコルはもっともそういう性質を表している。

通信データは次のあて先に向けて送るけど、送り先で紛失してもまぁ仕方がない。でも応答がなければ再送はするよ。いわゆる輻輳制御。送信可能なサイズを計算しなおして、今後はこのサイズで送りますね!というような具合。

しかも、IP電話などの音声送信に使われるUDPというプロトコルにいたっては再送すらしない。抜けてしまった音声データを後から送っても会話に支障はないし要らないでしょ?って思考。悪く言えばいい加減で、失敗は当然に許容して考慮されている。


この思考の差は大きい。


どんな業種も製造業の失敗回避思考で進められる日本。いい点は失敗がほとんど無いこと。だけど、ほんの少しの確率の失敗を防ぐために、どれだけの貴重な労力が費やされただろうか。その防御思考が近年ではあまりに過剰すぎるのではないだろうか。

この行き過ぎた感覚が取り除かれなければ、先へ進めないと思う。


失敗をしないために全力を注ぐのではなく、失敗したらどうするかを考えておこう。80%の成功率があるならどんどん進めてしまおう。そのためには20%の失敗確率のためにバックアップを考える必要がある。

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